罰として無視をする

無視を正しく罰として使用する

犬をしつけする方法として、何度か「無視をする」という方法をあげました。よくあるしつけの方法がまとめてある書籍やサイトにも、「無視をする」ことの有用性が説明されていることが多いです。
 
しかし、犬に対するしつけの罰として「無視をする」ことは、方法を間違えると全くの逆効果になってしまうことがあります。極端な例では、間違っているタイミングや状況で無視をすることによって、犬に「自分の方が立場が上だ」と勘違いさせてしまいます。
 
結果として問題行動を治すためにしつけの罰として「無視」をしていたつもりが、犬を一家のリーダーにしてしまうことになります。ポイントを踏まえて、正しく罰に用いましょう。

しつけで無視を使用するのは犬と信頼関係を築いてから

当然といえば当然かもしれません。「無視」がしつけの罰として大きな意味をもたらすのは、犬と飼い主であるあなたとの間に、深い信頼関係が築かれている場合です。大切な、大好きな人に無視をされて辛いのは、人も犬も同じです。
 
ですが、まだ知り合ったばかりの相手から無視をされた場合、もちろん寂しい思いは抱くでしょう。しかし、こうも考えませんか?「たまたま不機嫌だったのかな」
 
犬も同様です。信頼関係が浅い状態の場合、犬は無視されたことにあまり深く考えないでしょう。犬を迎え入れてまだ日が浅い場合や、信頼関係が深く築かれていない場合にしつけの罰として無視を行ってもあまり効果が見られないでしょう。
 
この場合は、まず信頼関係を築くことが数あるしつけの中でも最優先されるしつけです。もちろん、甘噛みされた場合には「ダメ」などと一言叱った後にしばらく「無視」を行いますが、信頼関係を築かないまま繰り返し「無視」を行っていても、効果はあまり見られないでしょう。
 


犬が人に構って欲しくてした問題行動に有効

「無視」をするしつけにおいてかなり重要なポイントです。犬が人に構って欲しくてする問題行動は、甘噛み、無駄吠え、飛びつく等が挙げられます。もちろん、犬にとって目的が異なる場合がありますので、犬をしっかり観察して、問題行動を行う犬の目的を把握しましょう。
 
逆に、人の食事を狙って机の上に飛び乗る、歯が気になるので家具を噛む、散歩で先に行きたいのでリードを引っ張る。こういった場合には有効ではなく、逆効果になってしまいます。

何故「人に構って欲しくてした問題行動」以外で無視を使ってはいけないのか

簡単に言うと、無視をすることによって犬の目的が簡単に達成されてしまうからです。これらの場合は、犬の目的は「人に構ってもらう」事ではなく、別に目的があります。例を挙げてみましょう。
 

犬は机の上にある人の食事を食べたいと思っています。焼けているのお肉の匂いがとても美味しそうです。犬はお肉を食べるために、机の上に乗りました。飼い主は無視をしています。犬は机に乗ったら叱られるかと思っていましたが、何も起こらないのでまんまとお肉を食べました。
 
食事を全部食べられると困るので、飼い主は食事を犬の届かない所に移動させます。犬はもう少しお肉を食べたかったですが、満足して寝床に戻りました。

 
いかがでしょうか。この犬は、これからは机に乗らないと思いますか?残念ながら、この犬は何度でも机の上に乗るようになるでしょう。目的が達成されることは、再び繰り返すことを助長します。
 
また、攻撃するために犬が吠えている場合は、無視をすることによって「人は自分に何も言ってこない=自分が偉い!」と勘違いをさせてしまう場合があります。そのため、無視をすることによって犬のヒエラルキーをどんどん上昇させてしまい、犬がリーダーになってしまう危険性もあるのです。

人に構って欲しくてした問題行動に無視が有効な理由

人に構って欲しくてした問題行動は、犬の目的が「人に構ってもらう」ことだからです。
 

人に笑って欲しくて冗談を言って、思ったほど笑いが取れなかったとしましょう。そのネタ(冗談)は使わなくなりませんか?

 
つまり、飼い主が無視をすると犬の目的が達成されず、「嬉しい出来事」が与えられません。問題行動を行っても良い事が起こらないので、自然と問題行動が減っていく、という事です。さらに、犬が問題行動をやめた際に、すかさず褒めてご褒美をあげることが望ましいでしょう。
 
このことにより、今度は問題行動を行わないことに正の強化が行われます。無駄吠えや甘噛み等に一言叱った後に「無視」を行うのは、負の弱化を行うためなのです。
 
犬をリーダーにさせないためにも、問題行動をやめさせたい場合は犬にとっての目的が何なのかをきちんと把握して、「無視」というしつけを行う必要性があります。
 


メリハリのある「無視」を行う

犬に対して無視を使ったしつけを行う場合、メリハリも非常に重要です。無視を使ったしつけにおいて、長時間無視を行ってしまう飼い主さんが非常に多いです。これは間違ったしつけを行っていることになってしまいます。
 
あまりに長時間無視を行っていると、「何故無視をされているのか」が分からなくなってしまいます。すると、犬にとって無視をしてくる飼い主は「よくわからないけど自分を無視してくる冷たい人」という認識をしてしまいます。
 
こうなってしまうと、せっかく長い期間をかけて築いた信頼関係が台無しです。「無視」は、やめさせたい問題行動が止まったらやめましょう。感情に任せて、いつまでも無視をするのはよくありません。

罰として無視をする まとめ

いかがでしたでしょうか。犬のしつけとして「無視」を使用する場合、まずは犬が何故問題行動をしているのかを理解しましょう。正しい方法でしつけを行いましょう。

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