ペットロス

愛する犬が死んでしまった時、多くの飼い主さんが深く悲しみ、喪失感を覚えると思います。犬を自分の一部のように愛し、大事にしていたならば、悲しみや喪失感はより深く、大きなものとなります。
 
この悲しみや喪失感を受け止めきれず、生活に支障をきたしてしまう程のストレスや精神症状、ひいては身体症状が現れる場合があります。このことをペットロス症候群と呼びます。

ペットロス症候群とは

ペットロスとは、文字通りペットを喪失することを指します。喪失とは、犬との死別であったり、犬が行方不明になり会えない状態になったり、盗難にあったりと様々な状況があります。
 
このような状況に陥り、今までペットと過ごすことで培われていた深い愛情や愛着、幸福などの行き場を無くしてしまうことにより、大きなストレスや精神症状、身体症状を引き起こします。これをペットロス症候群と呼びます。
 
引き起こされる症状の程度は個人差がありますが、犬や猫が「コンパニオンアニマル」としての役割を大きく果たしている程、より大きな症状が引き起こされると考えられています。例えば、子育てを終えた熟年夫婦と共に過ごしていた犬は、夫婦の子ども同然の存在になっており、喪失感や症状はより大きいものとなるでしょう。

悲しみの準備はできない

人は、ペットとの別れや悲しみなど、自分の世界観が大きく変わってしまうような出来事等への対応は後手後手になりがちです。
 
多くの人が「愛犬と別れたらどうなってしまうのだろう」と想像をすると思います。犬がシニアの時期に入った飼い主さんは、より現実的に想像し、覚悟をしている事と思います。しかし、実際にどれほどの悲しみや喪失感が襲うのかを想像することはできません。
 
心の準備ができているつもりでも、実際に直面する悲しみの大きさに圧倒されてしまう場合が多いです。ましてや、交通事故や天災などで心の準備もない状態でペットとの別れを体験した場合、その悲しみや喪失感はより大きく感じる事になるでしょう。
 
これは、どうしても想像が及ばない事なので、仕方の無い事といえるでしょう。
 
私の体験談を載せておこうと思います。
 

知人のAさんは、元看護師で、猫を複数匹飼育している大の猫好きです。どの猫に対しても大きな愛情をもって育てている人でした。また、看護師だったので、人の死と家族の悲しみは多く経験している人でした。その為、死別に対する悲しみはある程度想像ができる人だったと言えます。
 
特に最初に飼い始めた猫のK君には特別な思い入れがあり、K君がシニアに入った時に、AさんはK君に万が一のことがあったら、ペットロスになるかもしれないと思ったそうです。
 
その為、AさんはK君が死んでしまった場合にどうするか、というエンディングノートのようなものを作成しました。葬儀はどうするか、どこにお願いするか。葬儀までの段取りや準備するもの、どのように別れを迎えるか。私も何度もAさんの思いを聞いたり、私の思いを話したりしていました。
 
私が感じるに、Aさんは悲しみの準備をかなりしていました。Aさん自身も、そう思っていたと思います。
 
ですが、実際にK君との別れに直面した後、Aさんはペットロスに陥りました。エンディングノートに書かれていた通りの場所で埋葬をお願いし、埋葬までの段取りや準備も万全でした。しかし、Aさんはどこか上の空で、あまり笑わなくなっていました。
 
数年たった後に当時の気持ちを聞いてみましたが、やはり悲しみや喪失感が想像以上に大きく、一日一日するべき事(家事や仕事など)をこなしていたけれど、頭がぼんやりして、あまり物を考えられなかったそうです。
 
Aさんには家族やK君以外の猫もいたため、世話をしたり家事をしたり、しなければならない事が毎日山のようにありました。そのため、気を紛らわすことができ、次第に気持ちを整理することができたそうです。

 
このように、医療業界に身を置いた経験があり、死別やそれに伴う悲しみを身近に経験していた人でも、実際に自分が直面した時の悲しみを準備することができません。
 
ペットロスになってしまうことは、全くおかしくないのです。それだけ、犬と幸せな時間を過ごし、豊かな愛情を育んできたのだと言えるでしょう。
 


悲しみがもたらす反応

冒頭で述べた、「悲しみ」により引き起こされる精神的症状・身体的症状がどのようなものかを簡単にまとめておこうと思います。

精神的症状(反応)

長期間にわたる「愛情・愛着」の思いを中心にして、怒りや恐怖に似た不安、孤独、寂しさ、やるせなさ、罪悪感、自責の念、無力感などが現れます。特に別れのきっかけが病気によるものや事故、天災によるものである場合、飼い主自身が別れの原因でなくとも、小さなことを責め、罪悪感にかられることがあります。
 
また、感情が麻痺してしまう場合もあります。

身体的症状(反応)

睡眠障害、食欲障害、体力の低下、健康感の低下などの体の違和感や不調を覚えます。例を挙げると、疲れやすく感じる、頭痛、肩こり、めまい、動悸、胃腸不調、食欲不振、便秘、下痢、血圧の上昇、自律神経失調症、体重減少、免疫機能低下、白髪の増加などが挙げられます。

日常生活や行動の変化

ぼんやりしたり、勝手に涙があふれてどうしようもなくなったり、自責の念や「なぜ」「どうして」などの自問自答を繰り返してしまったりします。死別をきっかけとした「うつ」により引きこもってしまう場合もあります。
 
また、上記の状態とは対照的ですが、落ち着きがなくなり、以前より動き回って仕事や家事に没頭しようとしたりする場合もあります。愛犬の所有物やゆかりのものを一時的に見たくない、触れたくないと避けようとすることがありますが、時が経つにつれ、大事に、愛おしむようになります。

症状はTPO関係なく起こる

前述した症状は、TPO(時間や場所、状況など)関係なく起こります。また、人によっては何かの出来事をきっかけに、10年後などに唐突に起こることもあります。
 
ペットロスによってどのような身体的・精神的な変化が起こるのか。どのような精神状態の変化を経て、多くの人がペットロスから立ち直っているのか。こういった「ペットロス」についての知識を得ておくことで、ペットロスから立ち直ることが少し早くなると言われています。
 
また、多くの人が自分と同じ経験をしている、ペットロスがおかしいことではないと言うことを理解しておくことで、ペットロスになった際の心の痛みが軽くなるとも言われています。
 
次は、悲しみによってどのような経過を辿って行くのか(悲嘆のプロセス)を見ていきましょう。
 


悲嘆のプロセス

エリザベス・キューブラー・ロス(Elisabeth Kübler-Ross;1926〜2004年)は、「死」に関する科学的見地を切り開いた精神科医です。彼女が切り開いた「終末期医療」は、現在世界中の多くの医学部で必修科目となっています。
 
キューブラー・ロスは、「死」を受け入れるプロセスとして、5段階の過程があると提唱しています。これは、本人が死を受け入れていくプロセスとして構想されていますが、愛犬を失う家族も同様のプロセスを経ていくと言われています。
 
このプロセスですべての人の悲しみや感情を完璧に表せるわけではありません。しかし、これらのプロセスを知っておくことで、「この感情はおかしくないんだ」「多くの人が感じる感情なんだ」と思えることができます。

第一段階:否認と孤独

犬の余命がわずかであり、死別が間近である事実に衝撃を受けます。この事実を頭では理解しないといけないと分かっているのですが、感情的に強い否定の思いが湧きあがります。「嘘だ、信じられない!何かの間違いだ!」と否定しようとしますが、同時に、これは紛れもない事実であることは分かっています。
 
大きな無力感や焦りが襲ってきて、例え様のない不安を感じます。しかし、周囲の人は余命の事実に基づいて考えや行動を進めているので、周りとの温度差を感じ、周囲と距離を取ってしまいます。その結果孤立してしまい、孤独感を感じます。

第二段階:怒り

事実を認識するようになり、否定や認めたくないという気持ちを持ち続けることが難しくなり、周囲や自分、信仰(神仏)に怒りや恨みを向けるようになります。
 
怒りの矛先は様々で、犬に対してであったり、犬の治療にあたった病院であったり、信仰していた神仏に対してであったり、喪失感情に差が出た家族に対してであったり、自分自身に対してであったりします。
 
多くが「あの時○○だったら愛犬は助かったかもしれない」「なんで愛犬がこのような目に合わなければならないのか」といった、「なぜ」「どうして」という感情が根底にあります。
 
※この怒りの段階は、周囲からすると不当な怒りのように感じられることが多いです。それは、周囲の人は「死」を「仕方ないもの」「運命」といった形である程度受け入れることができているからです。しかし、「死」を受け入れることができていない場合は、「死」を受け入れなければならないという大きなストレスを抱えた不当感から怒りが湧きあがってきます。これは自然な感情です。

第三段階:取引

第一段階では悲しい現実を直視できず否定し、逃避します。第二段階では悲しい現実を見ることはできたが受け止めきれず、怒りや恨みを覚えます。第三段階では、それでもこの現実から逃れられないことを認識し、「避けられない結果(死)」をどうにか遠ざけようと交渉する段階に入ります。
 
神や仏に対して願掛けをしたり、善い行いと引き換えに褒美を望む形で行われることが多いです。
 例:「○○をするので、どうか助けてほしい」「これが避けられるなら何でもします」
 
また、自ら期限を定めて交渉する場合も多くあります。
 例:「もし○○が叶うなら、それ以上は望みません」
 
過去に罪悪感がある場合、その行為が今回の結果の原因なのではないかと考えることもあります。
 例:過去に友達を裏切ってしまった事がある、その罰なのではないか
 
少しずつ過去を振り返るようになるのもこの段階からです。

第四段階:抑うつ

「やはり別れは避けられない」「やっぱりいなくなったしまったんだ」といったように、それまで受け入れきれずに部分的に否認してきた別れという事実を覚悟し、認めざるをえない段階。
 
ひどく大きな孤独感や不安感、絶望感などに苛まれ、全てを失ってしまった喪失感に支配されます。周囲とかかわりを持ちたくないと感じたり、一人になりたいと感じます。
 
頭でのみ理解していた「別れ」「死」という事実を、感情的に理解できるようになる段階でもあります。

第五段階:受容

生命が死を迎えることは自然な事であると思えるようになります。人によっては、宇宙観や生命観のようなものを形成し、自分や愛犬をその中の一部であると位置づけることもあります。
 
犬との別れを静かに見つめることができるようになり、心に平穏が訪れます。
 


ペットロスが長期化、深刻化する原因

「悲嘆のプロセス」を代表とする、愛犬との別れを経験した後の心理プロセスは終了するまでに個人差があります。1か月程度で前向きな感情を取り戻すことができる人もいれば、半年たっても落ち込んだ状態から抜け出せず、深刻な場合だと「うつ」症状や「自殺願望」が現れている場合もあります。
 
このような、生活に支障をきたすペットロス症候群に陥ってしまう原因・要因はいくつかあります。順に見ていきましょう。

ペットロスになっている本人の原因

  • 重大な喪失・死・悲しみを過去に経験していない
  • 過去に多くの喪失経験がある
  • ペットを喪失する少し前にも、他の喪失経験がある

 
このような場合、悲しみの大きさが本人の予想以上に大きく受け止めきれなかったり、喪失経験がトラウマとなってしまっていたり、一度にたくさんの喪失を経験し、悲しみが大きくなりすぎてしまったりします。その結果、ペットロスが長期化・深刻化してしまうことがあります。

本人を取り巻く周囲の原因

  • 家族や友人の理解・支えが得られない
  • 家族や友人から鈍感な言葉をかけられる

 
このような場合、ペットロスの悲しみを受け入れるばかりか、より悲しみが大きくなり、長期化・深刻化してしまうことがあります。例を挙げると、「たかが犬じゃないか、元気出しなよ」「新しい犬を飼えばいいじゃない」「いつまで泣いているんだ」といった、悲しむ気持ちを否定される言葉や行動が上記にあてはまります。

犬の死に方

  • 犬の死に目に会えなかった・死後に遺体を見ていない

 
こういった場合、「死」を視覚的に認識できないため、「別れ」や「死」を受け入れることが難しくなることがあります。
 
「実はどこかで生きているんじゃないか」と希望を抱くため現実を受け入れることができなかったり、「まだどこかで寒い思い、寂しい思いをしているんじゃないか」と罪悪感で自分を責めてしまうことがあります。

死に対する罪の意識

  • 長い闘病の末の別れ
  • 事故死・突然死・不審死・早死

 
このような場合、「あの時○○していれば」「何もしてやれなかった」といった罪悪感や自責の念で自分を責め続けてしまい、ペットロスが長期化・深刻化することがあります。この自責の念は、根拠のあるものであったり、無いものであったり様々です。

死のタイミング

  • 幸せな出来事と犬の死が同時期にあった
  • 不幸な出来事と犬の死が同時期にあった
  • 人生の重大な転機と犬の死が同時期にあった

 
このような場合、悲しみがより大きくなり、受け止めきれなくなってしまうことがあります。

犬との依存関係

  • 犬との生活や交流だけが生きがい
  • 犬を自分の一部のように愛していた

 
このような犬との強い依存関係があった場合、犬の喪失は自分の身体をもぎ取られるような苦痛や悲しみが襲います。その結果、ペットロスが長期化・深刻化する傾向にあります。

悲しみを抑圧・我慢する

喪失の悲しみを正直に表現できなかったり、悲しむことを我慢してしまった場合にペットロスが長期化・深刻化することがあります。これは子どもより大人、女性より男性に多い要因です。
 
多くの人が「大人がペットの死で泣くなんて恥ずかしい」「男が悲しみを見せるなんて情けない」といった社会的な偏見・漠然としたイメージで悲しみを表現することを我慢してしまうからです。
 
また、「泣く」という行為自体にストレスを軽減する力がありますが、上記の理由で「泣く」ことを抑えてしまい、ストレスを軽減できず、大きな悲しみのまま抱え続けてしまうことがあります。

誤った情報の原因

ペットロスに対する誤った情報・アドバイスや、獣医師の治療に関する誤った見解などを受け取った場合にペットロスが長期化・深刻化することがあります。
 

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ペットロス症候群を予防する

前述したとおり、悲しみの準備はできません。では、ペットロス症候群は避けられないのかと言ったら間違いです。ペットロスが長期化・深刻化をしないように、できるだけ悲しみを大きくしないための予防は可能です。
 
先ほど挙げた、「ペットロスが長期化・深刻化する原因」をもう一度見直してみましょう。対策できる原因がいくつかあるのではないでしょうか。
順に見ていきましょう。

家族とペットロスの理解を深める

家族間で犬の余生について・ペットロスについてなどを話し合っておくことはとても重要です。ペットロスになってしまう可能性は家族の誰にでもあり、ペットロスになった家族に間違った言葉をかけてしまう可能性も同様にあります。
 
家族間で理解を深め、意思疎通を図っておくことで、間違った言葉をかけてしまう可能性をなくすことができ、ペットロスになってしまった家族に寄り添うことができます。
 
親しい友人で、ペットに理解のある人がいれば、相談して理解を得ておくことも非常に有効です。ただし、あまりペットに理解のある人でない場合は、ペットロスに対して理解してもらえない場合もあるので注意しましょう。

不慮の死を予防する

先述したとおり、犬が寿命ではなく不慮の事故によって死を迎えた場合、飼い主は自責の念を抱え、自分を必要以上に責めてしまいます。「罪悪感」は繰り返し繰り返し飼い主自身を責め、繰り返すごとに頭の中にこびりつき、罪悪感や悲しみは膨らんでいってしまいます。
 
これらを予防するために、ペットの安全に配慮した生活や環境を整えることが重要です。
 
ノーリードで散歩することをやめるのはもちろんのこと、家の中でも感電事故や落下事故、物が落ちて犬に当たったりしないよう家具の配置などに気を配りましょう。また、誤飲防止のために床を清潔にすることが重要です。繊維が出てきている家具やカーペット、毛布などは買い替えたりカバーを付けましょう。
 
食事習慣を整えることも重要です。犬を愛するあまり、おやつをあげすぎて生活習慣病にかかってしまうケースは少なくありません。日ごろからスキンシップをまめに行い、犬の身体の変化にいち早く気づいてあげられるようにしましょう。
 
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犬との関係を見直す

犬と深い依存関係になっている場合、ペットロスの悲しみは非常に大きいものとなります。予防するためには、犬に集中しすぎている興味や関心を他の物事に向けていきましょう。犬に関係のない趣味を作ったりすることで、犬との距離感を近づきすぎないように見直します。
 
犬以外の趣味を作ることが難しい場合は、もう一匹犬を飼い、愛情を分散する方法もありますが、金銭面や生活環境など、十分に検討したうえで飼いましょう。また、二匹犬を飼育する場合は、根本的な原因を取り除けているわけではありませんので、注意が必要です。

死の瞬間に立ち会う

犬の死に目に立ち会えなかったり、遺体を見ることができなかった場合、「犬をほったらかしにしてしまった」と自分を責めてしまうかもしれません。そのような事にならないためにも、犬の体調が悪い場合はなるべく傍にいてあげたり、夜は一緒の部屋で寝たりすると良いかもしれません。

思い切り泣く

悲しみを我慢することは、ペットロスの長期化・深刻化する大きな要因となります。人目のつかない所や、家族でペットの死を偲ぶ時は、思い切り悲しみを表現しましょう。泣きましょう。
 
「泣く」ことは、それ自体にストレス軽減の効果があると言われています。悲しいと思うことや、泣くことは全く恥ずかしくありません。我慢しなくて良いのです。

犬に手紙を書く・葬式を開く

犬に手紙を書くことで、犬との思い出を振り返ることができ、感謝の気持ちや謝りたいこと、反省している事、伝えたいことを整理することができます。また、漠然と悲しい思いを抱えながら日々を過ごすよりも、一度犬にまつわる思い出や気持ちに浸り、整理することで気持ちがすっきりすることもあります。
 
手紙を書くことも一つの方法ですが、犬の葬式を開くことも同様に良い方法と言えます。最近ではペットの冠婚葬祭サービスも広まり、手厚いサービスを行ってくれる企業も増えています。「葬式は残された人のためのもの」とも言われるように、「別れ」という現実を認識する場にもなり、葬式に参加した人(家族や友人)とペットを偲ぶことができます。

生活習慣を変える

犬と暮らすことで、生活リズム・生活習慣の中に犬が存在している状態になっています。例えば、スーパーに行った時に必ずペット用品売り場に寄ったり、家の家具の配置がシニアになった犬用の配置になっていたりです。
 
こういったルーティンワークと化している犬が含まれた生活習慣は、意図せず犬を思い出すきっかけとなってしまい、ペットロスが長引く原因になることがあります。ある程度気持ちが整理できると、犬との思い出を思い返す時に悲しい気持ちに押しつぶされることは無くなってきます。しかし、気持ちが整理できていない時に突発的な愛犬の気配・思い出は悲しい気持ちを大きくしてしまうことがあります。
 
このような場合には、スーパーではペット用品売り場には寄らないようにしたり、家具の配置を思い切って一新してしまったりして、犬との思い出を一時的に遠ざけましょう。気持ちが整理できて、犬との思い出に寄り添いたくなった時に、たっぷり寄り添えば良いのです。

家族や友人が気を付けること

身近な人がペットロスになってしまった経験のある人は、意外と少なくないのではないでしょうか。悲しみに打ちひしがれている様子を見て、何とか元気になってもらいたいけど、どう声をかけてよいかわからない。ペットを飼った経験がないから、気持ちがわからないからうまく寄り添うことができない。
 
こういったことが原因で、ペットロスを長期化・深刻化させてしまう言葉をかけてしまう可能性があります。
 
人の心は様々なので、どの言葉が正解で、どの言葉が不正解であるかという明確な定義はありません。しかし、一般的に避けた方がよい言葉というのがありますので、知っておくと良いでしょう。

「私だって悲しい」比較する言葉

「私だって悲しいよ」「ペットを失った人は皆同じ気持ちを乗り越えていったんだよ」といった、他の人と本人の気持ちを比較したり、大勢の人と本人を混ぜて考えるような言葉は避けた方がよいでしょう。
 
上記のような言葉だと、本人の悲しい気持ちを軽視しているようにとられてしまう場合が多く、その結果反感につながりやすくなります。「なんでこんなに悲しいのにわかってくれないんだろう!」と、より殻にこもってしまう場合があります。

「いつまでメソメソしているんだ!」檄を飛ばす言葉

「いつまでメソメソしているの」「そのうち慣れるよ、気にしちゃだめだよ!」といった、檄を飛ばす言葉も避けた方がよいでしょう。
 
本人の悲しい気持ちを軽視しているようにとらえられる場合もあります。また、「早く元気にならないといけない」ことを本人が一番理解していることが多く、悲しむ気持ちと我慢しないとと葛藤する気持ちとがないまぜになり、新たなストレスを生んでしまったり、悲しみを抑圧した結果ペットロスが長引く場合があります。

「犬も悲しんでいるあなたを見て心配してるよ」

犬の気持ちを持ち出して、「元気にならなきゃ」と思わせようとする言葉は避けましょう。犬と当事者の思い出や繋がりは特別なものです。「あなたに私と犬の何がわかるの」と反発につながる場合もあれば、「犬が心配しているのに、私は元気になれず…」と自分を責めてしまう場合もあります。
 
どちらの場合も、自分の殻にこもってしまったり、自責の念に苛まれてしまったりでペットロスが長引く場合が多いです。

「どこかに遊びに行こう」悲しみを紛らわせる

悲しい気持ちから遠ざかるために、どこかウィンドウショッピングに出かけたり、アミューズメントパークに出かけたりすることは一見効果的に見えます。しかし、本人はまだ楽しむ気持ちになれていない場合、逆効果になってしまうと言えるでしょう。
 
特に、最近はペット同伴可となっている施設が多いです。犬と楽しんでいる人を見かけてしまうと、「ああ、愛犬と遊びに来たら、どんなに楽しかっただろう」と自責の念や悲しい気持ちが大きくなってしまう場合があります。

どのように寄り添えば良いのか

まだまだ深い悲しみの中にいる場合は、本人が漏らす悲しい気持ちや、犬との大切な思い出をしっかり受け止めてあげましょう。返事は相槌を打つくらいで良いでしょう。気の利いた言葉を考える必要はありません。また、泣くのを我慢している様子であれば、「泣いていいんだよ」「悲しいときは我慢せずに泣いた方が良いよ」と優しく声をかけてあげましょう。
 
少しずつ落ち着いて来たら、本人の方から「どこか遊びに行きたいな」と提案があるかもしれません。そのような場合には、一緒に遊びに行ってあげましょう。どこに行くかは、本人と相談しましょう。犬がいる場所がいいのか、犬がいない場所がいいのかは聞いておいた方がよいでしょう。
 
落ち着いてきた際には、逆に犬との思い出に浸りたいと感じることがあります。ですので、あえて犬が多くいる公園や、犬との思い出がある施設に行きたいと思うことがあります。
 


虹の橋

「虹の橋」とは、飼っていたペットを亡くした人々の間で語られているお話です。作者不明の詩で、最初はアメリカで広まり、次第に世界中に広まりました。
 


天国の少し手前に、「虹の橋」と呼ばれる場所があります。
この世界でとても親しい誰かがいた動物は、死を迎えると虹の橋に行くのです。
そこは草地や丘が広がり、虹の橋に集まった動物たちで一緒に走り回ったり、遊んだりしています。
豊富な食べ物や水、お日様の光があり、動物たちは暖かく心地よく暮らします。
もう、おなかが減ったり、のどが渇いたり、寒さに震えたりすることはありません。
 
病にかかっていたり、年老いたりしていた動物は皆若返り、元気になります。
体が不自由になっていた動物も、元通りになって力強くなります。
まるで、過ぎ去った日々の夢のように。
動物たちは幸せで充実していますが、一つだけ不満があります。
皆、特別な、とても大切な誰かと、残してきた誰かと会えなくて寂しいのです。
 
動物たちは一緒に走ったり遊んだりして過ごしています。
しかし、ある日、一匹が突然立ち止まり、遠くを見つめます。
草原に向かって歩いてくる人がいるのを見つけたのです。
会えなくて寂しかった、とても懐かしいその姿を認めたその瞳はキラキラと輝き、
体は次第に喜びで震えます。
 
突然、彼は堰を切ったように群れから飛び出し、走ります。
一刻でも早くと、緑の草地を速く、速くと飛び越えていきます。
 
そして、ついにあなたとあなたの特別な、大切な親友が出会うと、二人は再会の喜びにしっかりと抱き合います。
もう、二度と離れることはありません。
 
懐かしい、幸福のキスがあなたの顔に降り注ぎます。
あなたは両手で再び最愛の友の頭をなで回します。
そして、あなたは信頼にあふれる親友の眼をもう一度覗き込みます。
その瞳は、長い間あなたの人生から失われていたものですが、心から決して消え去りはしなかったものです。
それから、あなたは虹の橋を一緒に渡って行くのです。

 
あなたと愛犬が特別な時間をいっぱい過ごし、幸せな時間を共有してきたからこそペットロスとして大きな悲しみを感じます。
 
これは、全くおかしいものではなく、あなたがそれだけ愛犬を愛し、愛犬に幸せをもらい、そして愛犬に幸せを贈っていたという素晴らしい事実があるからこそなのです。

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