古典的条件付け

2つの学習パターン

「学習」には、2つのパターンがあります。それが、「古典的条件付け」と「オペラント条件付け」です。
 
学習の大筋は同じです。「結果」と「その結果が起こったきっかけ」を紐づけて、「結果」を再び体験したいのか、したくないのかで次回の行動が決まります。
 
2つの学習パターンの違いは。簡単に言ってしまうと「きっかけ」が自発的に行動したものなのか、受動的に受けたものなのかです。順番に見ていきましょう。

古典的条件付け

古典的条件付けは、受動的に受けたものがきっかけとなっている場合です。「学習」する前は、どの出来事も「自分にとって有益なのか、有害なのか」は何もない「中立的」な出来事です。古典的条件付けの学習によって、各々の中での「判断」「学習」がなされています。
 
例をあげましょう。
 

目覚ましの音が鳴ると、自分は起きていて起きなければいけないわけでもないのに、憂鬱な気分になってしまう・・・

 
これは、古典的条件付けの結果です。学習過程としては、「目覚ましが鳴る ⇒ まだ寝ていたいのに起きなければ・・・ ⇒ 不快な目覚め」です。
 
目覚ましが鳴ることで、「起きなければいけない(寝ていたいのに)」「気持ちの良くない目覚めになった」というネガティブな感情を得ました。目覚ましは避けられないので、音を聞かなければいけません。
 
この学習から、自分が鳴らした目覚ましの音はもちろん、他人が鳴らした目覚ましの(自分に関係のない)音でも、目覚ましの音=ネガティブな感情をもたらすきっかけ=憂鬱な気分となってしまいます。
 
その他の例として、

  • ベルの音が鳴る ⇒ その直後にご飯がもらえる ⇒ ベルの音が鳴るとよだれが出てくるようになる
    (実際に、「パブロフの犬」という実験結果があります)
  • 梅干しを見る ⇒ 梅干しを食べて酸っぱいと感じる ⇒ 梅干しを見る、想像するだけで唾液が出てくるようになる
  • おならの音を聞く ⇒ 臭いと感じる ⇒ おならの音を聞くと(臭いと感じていなくても)不愉快な気分になるようになる
  • サザエさんの曲を聴く ⇒ 次の日が月曜日(仕事・学校等) ⇒ サザエさんの曲を聴くだけで憂鬱な気分になるようになる(サザエさん症候群)

などがあります。
 
愛犬のしつけにつなげると、「叱るときに叩いてはいけない」というのはこの学習パターンからきています。たとえば愛犬の甘噛みをやめさせたいとします。
 
愛犬が甘噛みをした ⇒ 叱りつけて、その際叩いた ⇒ ?
 
「?」の部分がどうなるか、考えてみてください。複数あげられますので、いくつか挙げてみましょう。
 

  1. 愛犬が甘噛みをしなくなった
  2. 愛犬が飼い主さんの手を怖がるようになった
  3. 人が愛犬に手を近づけるたびに噛むようになった
  4. 飼い主さん自体が愛犬に怖がられる、避けられるようになった

 
結果として1番だけであれば、何の問題もないように思えます。しかし、2番、4番のどれかも併せて愛犬が学習してしまったら?1番の結果を得られるどころか、3番の結果になってしまったら?しつけ自体が困難になってしまいます。
 
動物病院で勤務している時、ちらほら「手を怖がる」犬がいました。しつけで叩いてしまい、学習してしまった結果と言えます。手を怖がるようになってしまうと、体調不良の際に「診察」ができなくなるという弊害もあります。しつけをする際には。重々気を付けましょう。