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叱り方・人に対する問題行動以外について(犬が人が近くにいると認識していない場合)
前ページでは、甘噛みや服を引っ張られるなど、人に対する問題行動をしてしまった時の叱り方をご説明しました。「叱る」という言葉を使っていますが、私たちの言う「叱る」とは少し違っていたと思います。
それを踏まえて、犬が飼い主さんがいないと思っている、人に対する問題行動以外の場合をご説明します。ポイントとして、未遂で終わらせることが理想です。行動をしてから中断させるよりも、行動しそうな時に中断させるほうが、効果が大きいと言われています。
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「人」は関わらない
犬は飼い主さんがいないと思っています。その場合は、人は関わらないでください。物事をシンプルに終わらせるためです。全ての物事に対する注意で「人」を関わらせてくると、「人」がいない時ならばしても大丈夫、という認識をしてしまう可能性があります。
飼い主さんが愛犬の行動をずっと見れるわけではありません。「人」がいなくてもしてはいけない、しないようにしよう、と認識させる必要があるのです。
犬の五感に訴える。天災を装う
天災、というと大仰ですが・・・犬を一瞬驚かせます。「これをすると、びっくりする事が起こる、やめておこう」と思わせるのです。五感ごとの例を挙げてみます。
- 視覚
→電気を消す・(犬の見えないところから)布を顔に被せて視界を遮る等 - 聴覚
→愛犬が聞いたことの無い大きな音を立てる
(空き缶にビー玉などを入れて音を立てるなど) - 嗅覚
→お酢を薄めたスプレー等を噴霧する
(匂いがずっと残ってしまうのは良くないのであまりお勧めしません)
吠え癖を治すために、吠えると愛犬が苦手なにおいを噴射する首輪もあります。 - 味覚
→噛まれたくないものに、苦味のあるものを塗る
ビターアップルなど、噛み癖防止用の商品があります。 - 触覚
→霧吹きなどで被毛を濡らす
あくまで「人が起こしている」ことは隠し通す必要があります。お勧めなのは、犬に近づかなくても良い聴覚に訴える方法や、電気を消す方法です。犬に近づく必要のある物は、気づかれてしまう可能性があるので、お勧めしません。
吠え癖に絞るなら、吠え癖防止首輪を使用するのも有効です。犬が人を認識していない場合に怒る問題行動でも、見つけたものは全て上記の方法で中断させてください。何故かというと、飼い主さんが実際に留守にしていて、中断させられないこともあります。
なるだけ中断させる頻度を上げ、実際には飼い主さんが留守にしているときでも、「びっくりする事がまた起こるかもしれない、やめておこう」と思わせるのです。
叱り方・人に対する問題行動以外について(愛犬が人がいると認識している場合)
犬のそばに飼い主さんがいる時に、吠え始めたり、家具を噛み始めようとする事もあります。その場合の叱り方をご説明します。
飼い主さんがそばにいる時は、尚の事未遂で終わらせましょう。何故かというと、「おすわり」などのコールで気をそらせたり、問題行動をやめた時、しなかった時にごほうびをあげるからです。
問題行動をしそうな時に、コールなどで気をそらす
コールは「おすわり」「伏せ」などがよいでしょう。興奮させる前に、飼い主さんに注意を向け、対象から気をそらせましょう。多少うなってしまっている場合も、ひとまず対象から気をそらせましょう。
興奮が収まるまで、そのまま気をそらせる
興奮していたり、対象から興味が離れない場合は、愛犬が落ち着くまで同じコールを続けましょう。同じコールを続け、飼い主さんの方に意識を向けさせてください。問題行動が収まり、愛犬が落ち着くまで続けてください。
犬が落ち着き、対象から興味を失ったら、興奮させない程度に褒める
興奮させない程度に褒めてあげてください。吠えなかったね、吠えるのをやめれたね。噛まなかったね。など。この場合は、テンションをあげなくて大丈夫です。(興奮しちゃうので)でも、優しい声音と表情で褒めてあげてください。
人に対する問題行動以外の叱り方 まとめ
未遂で中断させるのをお勧めしているのは、興奮してしまうと中断させにくくなるからです。中断させにくいと、焦ってこちら側も声が大きくなったり、口調が早くなってしまいます。そうすると、なおさら犬が興奮してしまい、問題行動を治しにくくなってしまう場合が出てきます。
未遂で中断できないかも!と思う場合は、最初の内はおやつで瞬時に興味を奪うのも方法です。しかし、毎回おやつで気をそらすのはNGです。おやつがないと言う事を聞かない、あなたの言葉を聞いてくれなくなります。徐々に、おやつを使わないでコールで飼い主さんに興味をそらしましょう。