社会化期での変化・成長

社会化期に得られる変化・成長

生物に対する長期的な愛着を抱く

この時期に接触した動物に対し、一生を通して長期的な愛着を抱くようになります。

無生物・非生物に対する愛着を抱く

この時期では、生物の他に非生物に対しても継続的な愛着を抱くようになります。生まれ育った産箱や、ベッドやタオル、小さいころから使用しているぬいぐるみ等が対象になります。

自分の動物種を認識、判断する

自分がどの動物種なのかを判断していきます。たとえば、子犬が子猫と一緒に成長した場合・・・成長後、猫に対しては友好的なのに対し、見知らぬ犬に対しては警戒したり避けたりするようになるという研究報告もあります。(Fox 1969)
 
これは、子犬が「自分は猫だ」と誤って認識してしまっているからというわけです。兄弟犬がいない一人っ子の犬で、「私は人間」と思い込んでいる愛犬が多いのは、
この時期に人の中で育っているからというわけです。

短時間で接触したものに対して変化・社会化する

社会化期では、長期的に接触させずとも、短時間の接触で社会化ができるという研究報告があります。Fuller(1967)の研究結果では、少なくとも週に2回、20分の接触を持てば社会化が可能。Wolfle(1990)に至っては、週に5分の接触を持てば適切な社会化に十分、と報告しています。
 
以上の結果から、非常に短い時間・回数でも、子犬の性格を形作る・社会化に影響を及ぼす可能性があります。社会化期は、子犬が非常にデリケートで敏感になっている時期なのです。
 
繰り返しになりますが、社会化期は子犬の性格を形成するうえで非常に重要でデリケートな時期であることが研究からも明らかになっています。社会化期の間は、ワクチンなどの体調管理をしたうえで、いろいろな生き物や物、環境に触れさせてあげましょう。
 


社会化期のしつけ

社会化における研究結果として、もう一つ面白い報告があります。ストックホルム大学動物学部のエリック・ウィルソンの研究報告です。対象は600頭のジャーマンシェパードで、内容は乳離れ(4~5週齢頃)における母犬と子犬の関係性です。乳離れの時期に、母犬にどう接されていたかで子犬の性格が変化するといった結果が出ました。
 

  • 母犬に厳しく罰を与えられたり、脅されたりしていた(厳しく叱られていた)
    ⇒人間と社会的な絆を形成しにくい、友好的な関係が築きにくい
  • 優しい母犬に適度に褒められ、適度に罰を与えられつつ育てられた
    ⇒人間と社会的な絆を形成しやすい、友好的な関係を築きやすい
  • 生後10週になるまで何の罰も与えられなかった
    ⇒成犬になった時に言うことを聞かない、訓練不能のわがままに成長した

 
以上のことから、叱りすぎる、罰しすぎるのはもちろんダメですが、甘やかしすぎる、いけないことをしても訂正しないのもよくないということがわかります。

子犬の性格を「とってこい」で簡単に判断する

適度な「指摘・訂正」と「褒める」ことで優しく育てられた子犬は、ボールを投げたときに取ってくる率が高いそうです。子犬がたくさんいる中でボールを投げて、すぐさまボールに反応し、咥えて持ってくる子犬がいたら、その子は他の子犬に比べて社交性が高く、しつけもスムーズに受け入れてくれることでしょう。

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